伝統的工芸品 薬玉

現代において、開店祝い、落成記念、大会開催や開通式などに用いられる 「くす玉」は、本来「薬玉」であり、薬用香料を使い、邪気を払う長寿の象徴として 用いられたものです。

香料としては、現在の漢方薬でも用いられている麝香(じゃこう)、沈香(じんこう) などの香料が使用されていました。

また、端午の節供に屋外に立てる吹き流しは 薬玉の変化したものといわれます。

薬玉の由来は、中国の後漢(25~220)およびそれ以前から端午に五色の糸を ひじにかけて、魔除けのまじないを行う風習が日本へ伝わったものです。

日本では、平安時代に流行し、貴族の間では贈答品としても扱われ、「源氏物語」 にもその場面(例えば、花散里が源氏の君から初めて薬玉を贈られて喜ぶ場面や、 玉蔓のところへすばらしい薬玉が様々な殿方から届けられた場面、紫の上が明石の 姫君に女房が薬玉をつけるのを優しく見守る場面など)がいくつか出てきます。

薬玉の使われ方としては、5月5日の端午の節供(節句)に、不浄を払い、邪気を 避ける用具として柱などにかけられました。そして九月九日の重陽の節供には、 香りの薄まった薬玉を重陽の節供に作った新しいもの取り替えました。

なお、日本書紀には、5月5日に推古天皇が百官を率いて奈良の兎田野で 鹿茸(ろくじょう:鹿の幼角で現代でも強壮剤として使用される)や薬草を摘んだとの 記述があり、以後これを“薬猟(くすりがり)”として恒例とし、5月5日を“薬日 (くすりび)”としたとされていいます。

このように、5月5日は、薬との縁が深い日です。

そして、江戸時代になるとこの習慣は廃れたものの、造花で作った薬玉売りも現れ、 民間で女児の玩具として流行する形で残りました。

こけし職人が薬玉の木地を加工しているところです。

玉虫塗 薬玉
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